本と落語と旨いもの‥まあさんの東京街歩き日記

本と落語と旨いもの‥日々趣味にまつわることを書きたいと思います。ブログの素人もいいところ、暖かく見守っていただければありがたいです。趣味が共通の方との情報交換もできればなあと思っています。

その男 池波正太郎

「その男」こと、杉虎之助の波乱に満ちた生涯を描いた大作…だと思います。
三巻からなるこの小説は、幕末から明治にかけての世の大変動を背景に、一人の少年が数奇な運命に導かれて、その激動に関わっていく様をその成長とともにたっぷりと描いてくれています。
池波正太郎氏の筆は冴え渡り、読者は飽きることなく主人公とともに幕末から明治へ駆け抜けることになる…そんな娯楽性に溢れた作品でした。この本を読んだ今年の8月はどっぷりと「その男」の世界に浸った…ひと月でした。
なお、主人公の杉虎之助は、実在の人物のようにも思われますが…本作の終わりでその答えが示されます…これも本作の、もう一つの楽しみかもしれません。

文豪の凄い語彙力 山口 謠司

ここのところ小説ばかり読んでいましたので、たまには新書でもと思って手に取ったのがこちらの一冊です…手に取ったら文庫でした(笑)。

「あの言葉は実は○○の造語だった!」的な内容を期待しつつ…だったのですが…。
実際の内容は、文豪の小説中の表現(主として熟語)から、圧倒的な語彙力を窺うことができる言葉をピックアップして解説を加えてくれる内容でした。

筆者は、漢字の専門家なのでしょうね…。文豪が使った言葉(熟語)について、一文字ずつ解説を加えてくれます。その解説が、漢字の成り立ち、文字そのものの意味合いから説明してくれますので、読み終えての感想は「漢字の勉強になった」でした。意外な発見、面白さのあった本でした。

夜の国のクーパー 伊坂幸太郎

伊坂幸太郎氏の作品を読むのは、本当に久しぶりです。
読書メーターの登録では2018年4月に“アイネクライネナハトムジーク“以来…。
氏の作品は、見事な伏線の回収、爽快な読後感が醍醐味と思います。
あの読後感を味わいたくて「また読みたい」となるのですが、あっという間に3年も経過していました。“アイネクライネ…”の印象が薄かったんですね。。

さて、そんな訳で久しぶりに氏の作品、“夜の国のクーパー”です。
ファンタジーの仕立てで、ワケあり過去ありの主人公が喋る猫と出会い、不思議な話を聞く…。
ということなのですが、期待した読後感は…私の好みが変わったのか、氏の作品性がそうなのか…。面白かったのはそうなのですけど、期待が高すぎたかなあ。
でも好きな作家さんには変わりありませんので、次に期待です!

特選落語名人会(権太楼・白鳥・白酒) 北とぴあ

本当に久しぶりの寄席・落語会…。
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去年の11月に鈴本演芸場へ行って以来でしたから、9ヶ月ぶりということです。
あぁ、コロナ憎しというもので…。
緊急事態宣言下ではありましたが、運営会社のご努力とお客様の協力の賜物です。
座席は間隔を空け、お客様も極めて静か…マスク越しの笑い声も控えめです。

さて、始まり…。
前座さんが開口一番で「狸札」(ちょっと滑舌が…頑張ってください!)でした。

白鳥師匠は「老人前座じじ太郎」(落語会だと演目名がわかるのでありがたい)
師匠の「自由」な笑い全開で面白かったです!

白酒師匠は、白鳥師匠の後を受けて毒舌混じりに「みなさん、コロナ禍で大変なのに、無駄話聞いちゃいましたね」から始まります(笑)。
「佐々木政談」は、有名な演目ですが、初めて聴きました。白酒師匠、やっぱり面白い!

トリは、権太楼師匠。「今日は、9時撤収です。時間厳守ね」から始まって…。
演目は夏らしい「青菜」。冒頭が「植木屋さん、精が出ますね…」から始まるので、落語素人の私でも「青菜だ」とわかる次第。噺に出てくる「柳影」は現在でも手に入るお酒だそうで…一回飲んでみたいものです…。「青菜」も権太楼師匠の手にかかると爆笑度合いもアップします。やっぱり師匠の噺は面白い!
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師匠のおっしゃった通り、9時撤収のため8時45分には幕でした。
まだまだ、状況は厳しいですが、たまには落語でも聴かないと…と思った次第…。
(僭越ですが噺家さんの応援もしたいですね)

【後日談】
「青菜」に登場した「柳蔭」…ネットで購入してみました❗️
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「みりんを焼酎で割ったもの」というような紹介がありましたが、果たしてそのお味は…❓
そのまま一口いただくと甘いお酒(?)という予想に違い、かなりアルコールが感じられます(20度なんだそうで)。
個人的には氷と炭酸で割るととても爽やかにいただけます…オツな夏の飲み物ですね。
「青菜」の植木屋さんは、そのままガンガン飲んじゃってましたネ(笑)。

香味屋(根岸) スペシャル洋食弁当(B)

我が家からもほど近い場所にある、洋食の有名店“香味屋”。
お値段もそこそこ上品ですのでたまにしか行けません…前回が家族のお祝いで去年の8月でしたからほぼ、一年ぶりということになります。

今回は緊急事態宣言が明けないので旅行へも行けない…せめて美味しいものを食べようということで、“香味屋”のテイクアウトメニューから、お弁当にトライすることにしました。
一週間ほど前に予約をして、店へ受取りに行くと、テイクアウトのお客様が結構いらっしゃいました。やっぱり人気店なんですね…。

お弁当を受取って、無事、自宅へ戻りますと、まだ温かい!
箱がとても立派です。
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さて、箱を開けますとこんな感じ!
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お料理は…ご紹介しますと(合ってなかったらごめんなさい)…。
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コールドビーフ、スモークサーモン、エスカペッシュ、テリーヌ、ミニハンバーグ、海老、チキン唐揚げ、牛タンコロッケ、一口カツ…。

“香味屋“で食事をするといつも思うのですが、普通のお料理ひとつひとつが、素人でもわかるほど、手が凝んでいます。
「こんなに美味しいチキンの唐揚げ食べたことない!」こんな感激が全部のお料理に宿っています。
また、機会があれば奮発して行きたい。できればお酒もいただきたい。そう思わずにはいられません!
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今回のお料理:黒折 スペシャル洋食弁当B(4,700円・税込)
店名:香味屋
場所:台東区根岸3−18−18

5月、6月、7月の読書

前回の更新から、気が付けば一月半も経過…。
今年は土日に用事が多くなった(くじに外れてというか当たってというかマンションの理事長をやることになりこれが忙しい)ことも影響があるのか、なかなか時間を割けませんでした。

さて、5月、6月、7月の読書まとめです。もう少し読みたかったかなあ。


- 青が散る 宮本輝
gomahsango.hatenablog.com

- ギンギラ★落語ボーイ 三遊亭白鳥
gomahsango.hatenablog.com

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海 小川洋子

小川洋子氏の文体は、どこか冷たさというか、近づき難い印象を感じていました。
そんな印象は、文庫の巻末に掲載のインタビューの中で、インタビュアーの北村浩子氏が「どこか他の世界で書かれたものの翻訳を読んでいるのではないか、という錯覚を感じる…」と表現されていたことに合致して、なるほどと大いに頷きました。
本作は短編集で、七篇の作品が収録されています。末尾に配置された「ガイド」が気に入りました。異国の雰囲気の中、物語の結末が少しだけドラマチックに描かれていて…心地よい読後感でした。