三浦しをんさんも大好きな作家さんの一人です。
エッセイは評判の高い爆笑系、あと書評も読書愛がひしひしと伝わって読み応えあり!
もちろん、小説も「舟を編む」などに代表されるようなあたたかな雰囲気の作品から「光」のような暗い部分を描いたものまで幅広くいずれも素晴らしいです。
本作は旧い洋館に住う四人の女(母娘と娘の友人二人)が織りなす日常を描いたものです。
物語の主人公である四人の女は谷崎潤一郎の名作「細雪」の四姉妹と名前が同じ(正確にはもじっていますが)で、さながら三浦しをん版「細雪」ということになります。
男性である自分には想像もつかぬ女性同士の親子愛、友情は非常にリアルに感じられます。
また、描かれるのはいわゆる「普通の日常」ですが、そこは三浦しをんさんの手にかかると、何とも味わい深いものとなり、また少し変わった展開も加わって…最後は少しだけ希望の光を見出して…。
ところで、主人公の母娘の姓は「牧田」…先日読んだ「ののはな通信」の「(牧田)はな」さんと親戚ですかね(そのような記載が文中にありました)、三浦しをんさんの狙いは如何に…。
本作のみならず、三浦しをんさんの作品は本当に読みやすい…文章のリズムといい、言葉の選び方、紡ぎ方がとても心地良く感じます。
- 作者:三浦 しをん
- 発売日: 2015/07/09
- メディア: 単行本