本と落語と旨いもの‥まあさんの東京街歩き日記

本と落語と旨いもの‥日々趣味にまつわることを書きたいと思います。ブログの素人もいいところ、暖かく見守っていただければありがたいです。趣味が共通の方との情報交換もできればなあと思っています。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ドミノ 恩田陸

久しぶりに恩田陸さんの作品を手に取りました。 そして久しぶりに「痛快、爽快な小説」に出会いました(笑)。 東京駅に近い生命保険の支社、7月最終営業日に倒れ始めたドミノは奇想天外な経路を辿り、加速しながら、好むと好まざるとにかかわらず人々を巻…

ツナグ 辻村深月

一生に一度だけ死者との再会を叶えることができる人=「使者(ツナグ)」を軸にさまざまな過去や想いを抱えた人々を連作の形で描きだす長編小説…文庫本の背表紙にはそのように紹介されており、期待して本書を手に取りました。 全体としてとても面白い小説で…

忍びの旗 池波正太郎

私にとっては、池波正太郎氏の一連の忍者小説(◉)を一巡り、その”締め括り”となるのが本作ということになります。 この一連の忍者小説は、登場人物が重なり連作に近いものもあるのですが、本作は「その一方で」という感じで、三方ヶ原の合戦から大坂夏の陣…

文庫解説ワンダーランド 斎藤美奈子

文庫本の本編の後に付される「解説」にスポットを当てた本作。 筆者は「解説を解説」する難しさを“すっ“と乗り越え、「解説」に潜む魅力や不思議を面白おかしく語ってくれます。その対象は「坊っちゃん」から「永遠の0」まで多岐に亘ることに…。 「解説の解…

娘と私 獅子文六

獅子文六氏と言えば痛快劇の小説が思い浮かびますが、本作は自伝小説です。 600ページを超える長編、いつも読んでいる痛快劇でもなく、なかなか手が伸びなかったのをやっと手に取った…ということになります。 朝ドラの第一作目としても有名な作品なのです…

対岸の彼女 角田光代

角田光代さんの小説はまだ三作目の読書となるのですが、作品ごとに記憶に残る「読み応え」に感心してしまいます。 本作は、結婚や子供(子育て)において、いわば対岸にある二人の女性が出会うことで隔たりが浮き彫りになっていく過程が描かれつつも、やがて…

赤ひげ診療譚 山本周五郎

誰もが知る山本周五郎氏の代表作… 小石川養生所を舞台に若き医生が、武骨な医長に反感を覚えつつも医師としての生き方に共感していく…八つの物語が連作短編集のように綴られ、医生の成長していく過程が描かれます…そして円満な結末に満足感に浸ることができ…

剣客商売(十二) 十番斬り 池波正太郎

このところ同じパターンの繰り返しです… 前回の読後感想を書いてから4ヶ月も経ってしまいました。 その間、本は読んでいましたので、今更ながらではありますがコツコツと書いてゆきたいと思います。さて、読後感想再開は池波正太郎の剣客商売から… 本作は表…

カラーでよみがえる 古今亭志ん生 (公開収録)

今年は、5代目 古今亭志ん生師の没後五十年に当たるのだそうです。 さらには3代目 古今亭志ん朝師の二十三回忌、先代 古今亭圓菊師の十三回忌、先代 金原亭馬生師の没後四十年(昨年)も重なる一門の節目の年ということです。 7月に発表された五街道雲助師…