本と落語と旨いもの‥まあさんの東京街歩き日記

本と落語と旨いもの‥日々趣味にまつわることを書きたいと思います。ブログの素人もいいところ、暖かく見守っていただければありがたいです。趣味が共通の方との情報交換もできればなあと思っています。

雲霧仁左衛門 池波正太郎

池波正太郎氏の作品の読後感想に「人物造形が素晴らしい」と何度書いたことでしょうか。
本作も大盗賊“雲霧仁左衛門”の世界にすっかりと引き込まれていきます。
雲霧仁左衛門は限られた部下にしか素顔を明かさぬ謎に包まれた人物…これに立ち向かうのが、安倍式部率いる火付盗賊改方の一団…雲霧一味とこれを追う火付盗賊改方の闘いが描かれていきます。さらには江戸幕府尾張徳川家の暗闘の物語も交錯して、読むものを飽きさせません。
そして、物語の結末は、いかにも雲霧仁左衛門の人物造形に相応しい締めくくり…。
大満足の作品となりましたが、前後編1300ページを超える長編に、遅読の私は読了まで、ほぼ1ヶ月を要してしまいました。もう少し早く読めるようになりたいものです。