本と落語と旨いもの‥まあさんの東京街歩き日記

本と落語と旨いもの‥日々趣味にまつわることを書きたいと思います。ブログの素人もいいところ、暖かく見守っていただければありがたいです。趣味が共通の方との情報交換もできればなあと思っています。

海 小川洋子

小川洋子氏の文体は、どこか冷たさというか、近づき難い印象を感じていました。
そんな印象は、文庫の巻末に掲載のインタビューの中で、インタビュアーの北村浩子氏が「どこか他の世界で書かれたものの翻訳を読んでいるのではないか、という錯覚を感じる…」と表現されていたことに合致して、なるほどと大いに頷きました。
本作は短編集で、七篇の作品が収録されています。末尾に配置された「ガイド」が気に入りました。異国の雰囲気の中、物語の結末が少しだけドラマチックに描かれていて…心地よい読後感でした。