2021-07-12 海 小川洋子 本 小川洋子氏の文体は、どこか冷たさというか、近づき難い印象を感じていました。 そんな印象は、文庫の巻末に掲載のインタビューの中で、インタビュアーの北村浩子氏が「どこか他の世界で書かれたものの翻訳を読んでいるのではないか、という錯覚を感じる…」と表現されていたことに合致して、なるほどと大いに頷きました。 本作は短編集で、七篇の作品が収録されています。末尾に配置された「ガイド」が気に入りました。異国の雰囲気の中、物語の結末が少しだけドラマチックに描かれていて…心地よい読後感でした。海 (新潮文庫)作者:洋子, 小川新潮社Amazon