本と落語と旨いもの‥まあさんの東京街歩き日記

本と落語と旨いもの‥日々趣味にまつわることを書きたいと思います。ブログの素人もいいところ、暖かく見守っていただければありがたいです。趣味が共通の方との情報交換もできればなあと思っています。

娘と私 獅子文六

獅子文六氏と言えば痛快劇の小説が思い浮かびますが、本作は自伝小説です。
600ページを超える長編、いつも読んでいる痛快劇でもなく、なかなか手が伸びなかったのをやっと手に取った…ということになります。
朝ドラの第一作目としても有名な作品なのですが、面白いのかな…かつて「獅子文六」を見るため横浜に行き、獅子文六氏の生涯、歩みに触れたことも思い出されます。
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本作は亡くなった妻との間に授かった娘、二番目の妻との生活を中心に描かれます。
時代背景の影響も窺われ、妻、娘への氏の考えや思いなどは現在のそれと隔たり、違和感を感じることがないではないのですが、それでもなお、氏の妻や娘に対する愛情、感謝が伝わってくるのが不思議な気持ちにもなります。
ただ、平安の生活を得るほんの手前で病に亡くなった妻の静子さんには、安らかな生活を享受して欲しかった…と思われてなりません。