久しぶりに小川洋子さんの小説を手にとりました。
「猫を抱いて象と泳ぐ」がそうであるように、ハンデを負った人(作中ではそれが個性として描かれているようです)が主要な登場人物として物語が進むなど、読むうちに「生」「死」を意識させられる作風です。
文章は美しくも冷たい印象ですが、それでいて作者の暖かな視線を感じたりと、非常に魅力的に思うのです。
本作は短編集。収録されている「イービーのかなわぬ望み」はそんな一編でした。他の作品、野球を題材にした二編もとても味わいの深い作品でした。
たまに手にしたくなる、そんな作家さんです。
- 作者: 小川 洋子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/06/25
- メディア: 文庫
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