本と落語と旨いもの‥まあさんの東京街歩き日記

本と落語と旨いもの‥日々趣味にまつわることを書きたいと思います。ブログの素人もいいところ、暖かく見守っていただければありがたいです。趣味が共通の方との情報交換もできればなあと思っています。

夜明けの縁をさ迷う人々 小川洋子

久しぶりに小川洋子さんの小説を手にとりました。

「猫を抱いて象と泳ぐ」がそうであるように、ハンデを負った人(作中ではそれが個性として描かれているようです)が主要な登場人物として物語が進むなど、読むうちに「生」「死」を意識させられる作風です。

文章は美しくも冷たい印象ですが、それでいて作者の暖かな視線を感じたりと、非常に魅力的に思うのです。

本作は短編集。収録されている「イービーのかなわぬ望み」はそんな一編でした。他の作品、野球を題材にした二編もとても味わいの深い作品でした。

たまに手にしたくなる、そんな作家さんです。

夜明けの縁をさ迷う人々 (角川文庫)

夜明けの縁をさ迷う人々 (角川文庫)