男子中学生が、それぞれに悩みを抱えながらもひた向きに駅伝に打ち込む物語…。
「風が強く吹いている(三浦しをん)」は大学の駅伝、「一瞬の風になれ(佐藤多佳子)」は高校の100m×4リレー(4継)を描いて素晴らしかった…女性の作家さんが描いた陸上部を舞台とする物語の「中・高・大」学生版を読んだことになります。
中学の駅伝を描く本作は、中学生らしいエピソードに溢れています。みな、本当の自分と周りから見られる自分のギャップに悩みながら、駅伝に打ち込むことで人と繋がり、襷を繋ぎ、救われていきます。
登場人物がいい意味で「いい子」ばかり…読んでいて心地よいです…2区(大田くん)と3区(ジローくん)の話がよかったなあ☺️
6人の選手たちがそれぞれに走る区間の順番で回想、独白しながら次の選手へ襷を繋いで物語が進んでいきます。同じシーンをそれぞれの目線で描かれることもあり物語と人物像が深まっていきます…頼りなくみえるが実は中学生たちを確りと見守り導いた上原先生の独白も聞いてみたかったなあ。
またいつか、「風が強く吹いている」「一瞬の風になれ」とともに三作品を読んでみたいものです。こうしてみると、三作品ともに題名が素敵ですね😇
- 作者: 瀬尾まいこ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/03/28
- メディア: 文庫
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