美濃部美津子さんは、五代目 古今亭志ん生師匠の長女であり、志ん生師のマネージャーも勤めた方だそうです。
文章はすべて"語り言葉"で、多分、口述筆記なんでしょうね。
その“語り言葉”が、これぞというような東京の下町の語り口で、とても綺麗です。
自分にはとても話すことはできないですね、軽妙で洒落ていて読んでいてとても心地よい…。
本の内容は、志ん生師、馬生師、志ん朝師という親子にしてそれぞれが“名人“噺家と呼ばれる一家の長女でしか語れない興味深いものばかりです。
名人一家の逸話も素晴らしいのですが、ご本人が子供時分の耐乏生活を振り返りつつ、お母様(りんさん)が子供の朝ごはんに作っておかれた「にこごりのように固まったうどんの“おめざ”が何より好きだった」とおっしゃるところが、とても印象に残りました。
そうそう、弟(馬生師)が生まれた日に食べた「うさぎやのどら焼き」が美味しかったとも…。
私も久しぶりに食べたくなりました。
- 作者:美濃部 美津子
- 発売日: 2005/11/10
- メディア: 文庫
うさぎやのどら焼きです!
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