本と落語と旨いもの‥まあさんの東京街歩き日記

本と落語と旨いもの‥日々趣味にまつわることを書きたいと思います。ブログの素人もいいところ、暖かく見守っていただければありがたいです。趣味が共通の方との情報交換もできればなあと思っています。

円生と志ん生 井上ひさし

昭和の大名人、六代目 三遊亭圓生師と五代目古今亭志ん生師が、(当人が知る由もありませんが)終戦も間近の時期に慰問のため中国に渡り、2年もの間、彼の地に留まらざるを得なかった際のエピソードの数々は、あまりにも有名な話…。
この「円生と志ん生」は中国で敗戦を迎えた二人の苦労話が、井上ひさし氏の手により、笑いに包まれた戯曲に仕上げられたものです。
個人的には、恥ずかしながら戯曲を読むのはほぼ初めてで、読みにくくないか…少々心配して本を開いたわけですが、全くの杞憂…テンポの良い台詞の連続にすぐに引き込まれ、本当に楽しく読みました。
円生師と志ん生師の人物造形が素晴らしい…。
2005年に初演、2017年にも再演されているようです、、演劇は素人も素人ですが、一回観てみたいなあ、そう思わないではいられません。

追記、井上ひさし氏の作品は、数年前に「吉里吉里人」を読みました…文庫で上中下の三巻、あまりの長さに胸焼けした覚えがあります…。
ところが本作は、とても読みやすく、面白く、素晴らしいの一言に尽きます。
氏は劇作家でこそ、ということなのかな…僭越ながら思った次第です。

円生と志ん生 (集英社文芸単行本)

円生と志ん生 (集英社文芸単行本)