あまりにも有名な夏目漱石「坊っちゃん」の後日談の形をとった「殺人ミステリ」が本作。
物語の前半は漱石の語り口を彷彿とさせ、坊っちゃんは帰京後、鉄道会社の技師になっていたんだなどと、あの名作を再読しながら読み進めるかのようで…「ああ、ターナー島なんて出てきたね」なんてとても楽しい…。
物語は、その「ターナー島」も主要な舞台となる殺人ミステリ…坊っちゃんが街中で同じく帰京していた山嵐と“ばったり”出会い謎解きの旅に巻き込まれていきます。
物語の後半では、あの坊っちゃんが見事、颯爽とした探偵役となって…作者の筆力に唸らされることうけあいです!
- 作者:柳 広司
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/11/25
- メディア: 文庫