本と落語と旨いもの‥まあさんの東京街歩き日記

本と落語と旨いもの‥日々趣味にまつわることを書きたいと思います。ブログの素人もいいところ、暖かく見守っていただければありがたいです。趣味が共通の方との情報交換もできればなあと思っています。

火の国の城 池波正太郎

池波正太郎の忍者小説で、若干の設定の違いを含みつつも、登場人物が重なり描かれる一連の作品があります。「忍者丹波大介」(角川文庫)の解説に習い、物語中の時間の流れに沿って順番に並べると…凡そ、

夜の戦士→蝶の戦記→忍びの風→忍びの旗→忍者丹波大介→忍びの女→火の国の城

ということになるようです。
そのような事前の知識なく読み進めた私は途中から「この登場人物、前にも居たような」という具合に気づき、後から一連の作品であることを知った次第で…先に知っておくべきでした!
個々の作品は単独で面白いものばかりですから、楽しむ上では全く問題ないのですが…。
ということで、本作は時間の流れの最後に位置する作品で、江戸幕府成立後の加藤清正の物語を舞台に、主人公、丹波大介の活躍が描かれます。
そこに「蝶の戦記」の主人公、女忍びの於蝶も仲間に加わり(「蝶の戦記」未読ゆえ感動味わえず)物語は展開して…忍者小説の面白さとともに、清正と家康の駆け引きを描く歴史小説の楽しさも加わる快作です。
因みに、私は今後、未読の「蝶の戦記」「忍びの風」「忍びの旗」を順不同で読んで参ります…