2019年の本屋大賞受賞作。
「あと少し、もう少し」に続いて本作は私にとって瀬尾まいこさんの2作目となります。
前作では作者の物語の登場人物に対する優しい目線、語り口が印象的でした。
本作も期待して手に取ったわけですが…期待に十分に応える内容で、優しさに包まれた物語を読むことができました。
登場人物に”悪い人”は出てきません。すなわち、”優しい人”ばかりが登場するのですが、実はとても変わった人ばかり…特にこの物語の真のキーパーソンである梨花さんは、常識をはるかに超えた行動で、主人公の優子に不思議な人生、巡り合わせをもたらします。
あと、最後にバトンを受け取る早瀬くんも相当の変わり者…。
作者の瀬尾まいこさんはこの多彩な登場人物たちをうまく纏め、導き、見事に”暖かく優しい物語”に仕上げてくれました。時々、こういう物語を読みたくなるもので…本屋大賞受賞も頷けます!
瀬尾さんの他の作品はどうなのだろう…もう数作品、ぜひぜひ読んでみたい、そう思わずにはいられない…。
追伸:直前まで本作とは趣が異なり、少々ハードな内容の”レディ・ジョーカー”を読んでおりましたので、心のバランス的にはとても良かったです…。
- 作者:瀬尾まいこ
- 発売日: 2018/02/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)