東日本大震災と原発事故をモチーフに幼児売買、信仰宗教、権力者による情報統制など様々な要素を盛り込んだ長編小説です。
舞台は前半は震災直前の東京、後半は東北はおろか関東一円が放射能で汚染され大阪へ遷都された架空の日本…。主人公の少女、バラカの数奇な運命が850頁以上に亘って綴られます。
テンポのよい展開で引き込まれ、寸暇を惜しんで読み耽るといった感じでした。
囚われの身であったバラカが遂に自由を得たところで物語は終結し、後日談がプロローグとして語られます。その終わり方…読者としてはもう少し“その後”を読みたかったかなあ、と思わないでもなく。。
それにしても、桐野夏生さんは“柔らかな頬““グロテスク“と狂気の人たちを描くのが上手いです…。
- 作者:桐野 夏生
- 発売日: 2019/02/20
- メディア: 文庫
- 作者:桐野 夏生
- 発売日: 2019/02/20
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