獅子文六さんは、読んでいて元気が出る作家さんです。
作者の戦後初の新聞連載小説が「てんやわんや」。これに続く新聞連載がこの「自由学校」だそうです。
題名からいつ学校の話になるか読み進めましたが、学校の話ではありませんでした(笑)。
ある夫婦のケンカを発端とした夫の家出を軸に、夫婦が、とりまく人々が戦後の「自由」について考え、たくましく生きていく話でした。
まさに自由を考え学ぶ学校のようでした。
勿論、作者一流の味わいで、物語はユーモアに溢れています。
そして、戦後の新たな価値観「自由」を時としてシニカルに描いています。未だに瑞々しい感覚にあふれた作品です。
作者の戦後の有名な作品で「青春怪談」というのもあるようです。こちらも読まなくては…。
- 作者: 獅子文六
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2016/06/08
- メディア: 文庫
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