今年最後の一冊は、「そばと私」です。
(先日、獅子文六展へ行き、同氏の作品にしようかなと思いつつ、こちらに手が伸びてしまった次第…)
そば好き、そば通の方は世の中多いですね、私もおそば大好きですが、蘊蓄を傾けるほどではありません…いわゆる名店といわれるそば屋さんも何軒かお邪魔した程度…。
この本は、季刊誌「新そば」に掲載された、所謂有名人の方々の「そばと私」にまつわるエッセイをまとめたものです。お一人、4、5頁ですからすいすいと読み進むことができます。
比較的古くに綴られたものが多く、筆者の多くが鬼籍に入られています。
芸能人、棋士、学者、経済人…幅広い分野の方々が文章を寄せておられますが、例えば、江戸英雄氏(元三井不動産会長)といった往年の大経済人が室町/砂場の思い出を綴っていたり、落語界からは立川談志師がそばに縁のある演目を挙げながら江戸っ子とそばについて語っておられたり…とても読み応えがありました。
それにしてもそばについて語る、語れる方は多く…そういった意味でそばは不思議な食べ物ですね、これがうどんやそうめんではこういう本にはならなかったのでは、と思ったり…。
さて、今日は大晦日…今夜は年越しそばをいただくこととします!
- 作者:
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/09/02
- メディア: 文庫